円高だけじゃない危機
日銀が臨時金融政策決定会合を開き、円高阻止の施策を示しているものの、まだ解決の兆しは見えないが、金融ジャーナリストの森岡英樹は、現在の危機は円高だけじゃないと指摘する。
国際会計基準の適用が新たな障害
某メーカー幹部は語っているという。
「上場企業に適用される予定の国際会計基準(IFRS)が導入された場合、外貨建てで保有している海外の資産や持ち合い株式について時価評価して決算で包括利益として計上しなければならなくなる。そこに円高が重なれば、巨額な損失となって利益を圧迫することは避けられない」
国際会計基準の適用が新たな障害として立ちはだかるというのだ。
問題の包括利益は、ここにきて国際会計基準が適用される前の11年3月期から日本基準でも導入される見通しという。対象は連結決算に限られるが、すでに変化はすべての企業に及び始めている。
円高・株安の問題が落ち着いても、国際会計基準の問題が次に控えているという状況に、日本はまだまだ気を抜けない。
zakzak
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20100831/ecn1008311516002-n2.htm