自動車産業での労働者不足
Thailand Automotive Institute(TAI、タイ国自動車産業振興機構)のディレクターであるWallop Tiasiri氏が、タイ国自動車産業での深刻な労働者不足を訴えていると、Bangkok Postが伝えている。
それによるとタイ政府が掲げる自動車産業の成長目標を達成するには、今後3年間で25万人の自動車産業の従事者が必要だという。そしてその25万人を確保するのは容易ではなく、非熟練労働者の不足は危機的なレベルに達しているのだ。
自動車産業で働くことの人気の高さ
タイの労働者にとって、自動車産業で働くことは、他の産業分野で働くより人気がある。賃金が魅力的だからだ。
Wallop Tiasiri氏は言う。
「自動車産業部門の非熟練労働者の賃金は日給400バーツ(約1100円)です。昨年は300バーツでした。タイ国内でバンコクの最低賃金が最も高いのですが、そのバンコクでさえ最低賃金は日給200バーツです。こうしたことを考えると、400バーツは記録的な伸びです」
今後の自動車生産の予測
今後2、3年以内でタイでの自動車生産台数は、現在の120万から80万上昇して200万になると予想される。上昇分を支えるには、18万人の一般労働者、5万人の技術者、2万人の事務員が追加で必要となる。
労働者の需要の高さは、エコカーの製造の促進という背景もある。三菱が150億バーツをかけて建設したエコカーの工場も、2012年から生産が開始され、5年以内に20万台生産するとされている。そして20万台のうち80%はタイから国外に輸出される。
労働者の育成
Wallop Tiasiri氏は言う。
「私たちは、自動車産業に入ってきた非熟練労働者を、彼らが工場で働き出す前にトレーニングする必要もあります」
「非熟練労働者を技術者へとスキルアップさせるために、TAIはタイ工業連盟と提携して政府支援プロジェクトに参加しています」
「プロジェクトのプログラムには300人のトレーナーがおり、総計30万人の人々を啓発・訓練しています」
Bangkok Post
http://www.bangkokpost.com/business/marketing/195715/industry-needs-250000-new-workers-in-3-years