20億円を投じて実証プラントを建設
日揮がインドネシアで低品位炭の燃料化事業を始める。日揮はインドネシア財閥のシナルマス・グループと共同で、石油代替燃料製造実証プラントの建設を開始した。建設費用は約20億円。年間1万トンの燃料を製造し、現地企業に供給する。実証プラントはインドネシアのカラワン地区に建設。2011年10月末完成の予定。
現在、世界の電力の40%が石炭を原料とした火力発電によって作られている。国別でみると、米国やドイツでは50%、中国やインドは70%、日本では25%となっている。
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低品位炭から石油代替燃料への加工
石炭の埋蔵量は約150年分とされている。ただし石炭の埋蔵量の約1/2は燃料としての取り扱いが難しい低品位炭である。低品位炭は、熟成が進んでいない、水分含有量の多い段階の石炭をさす。燃焼したときの熱量も弱く、自然発火しやすいという短所がある。保管管理と燃料としての両面で運用が難しい。
日揮はこの低品位炭を人工的に熟成させる技術を開発。約300℃の高圧熱水を用いて低品位炭の不純物を除去し、液状のスラリー燃料に加工する。地下で数億年の年月を経て石炭が熟していったのと同じプロセスを、水・熱・圧力を用いて地上のプラントで行う。
熟成させた石炭は液体状のスラリー燃料にし、石油代替燃料「JCF」として供給。低品位炭を原料としたスラリー燃料は世界初。価格も石油燃料に比べ3―4割安く提供できるという。
日刊工業新聞
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0120100927baai.html日揮
http://www.jgc.co.jp/jp/06ir/pdf/annual_rpt/2010/section/jgc_ar10j_gijyutsusyoukai.pdf