日本の評価は?
尖閣諸島沖で中国の漁船と海上保安庁の巡視船が衝突し、25日の未明に異例と思える措置で船長が釈放されるという衝撃的な事件。
この問題に対し、日本国民の間には穏やかならぬ感情が拡がっているが、海外ではどのように報道されているのだろう。今回は韓国の大手紙「朝鮮日報」の見解を紹介したい。
深刻な脅威
同紙では早速25日の報道で、社説「大国が資源を武器に経済報復に出る時」と題した記事に加え、<「力の外交」の勝利、中国が影響力拡大>として、時系列入りの詳細な報道を行った。
2つの記事ではともに、「日本が白旗を揚げた」と最初に報道。少なくとも韓国の視点から見たとき、一連の事件が中国の勝利で終わったことを明らかにする。
日本の敗因は、様々な交流事業の停止にとどまらず、経済的な打撃の数々、特に自動車産業などの死線に関わるレアアースの輸出停止と、日本人4人の拘束が決定打だったと指摘。
続けて、米欧諸国が金融危機以降苦境に立っているのを尻目に、中国は国際政治・経済の舞台で明らかに力を付けているという現実を述べた上で、今回の事件だけでなく、中国による力の外交路線は露骨になってきているとする。
明日は我が身
総じて記事は冷静で日本の敗北を揶揄するような論調は全く見られず、それゆえに事態は深刻であるとも受け取れる。韓国も貿易立国であり、また中国との火種を抱えていることが他人事ではないと映っているようだ。以下は記事の引用。
中国が今後、外貨準備高や産業の中核を担う資源を武器に、外交・貿易で紛争が起きるたびに経済報復という刀を振りかざせば、国際貿易上の秩序や国際金融体制がどれほど衝撃を受けることか。日本のような経済大国でも太刀打ちできず、中国による圧力の前に頭を下げなければならないなら、ほかの国はお手上げだ。
編集部 宗近 明
朝鮮日報:社説「大国が資源を武器に経済報復に出る時」
http://www.chosunonline.com/news/20100925000017朝鮮日報 尖閣:「力の外交」の勝利、中国が影響力拡大(上)
http://www.chosunonline.com/news/20100925000005朝鮮日報 尖閣:「力の外交」の勝利、中国が影響力拡大(下)
http://www.chosunonline.com/news/20100925000006