バンコク首都圏の交通渋滞緩和と交通網整備
日本の国際協力機構(JICA)が9月28日、タイ王国の首都バンコクにて2件の円借款貸付契約を調印した。
1つは同国政府との間で交わされた「ノンタブリ1道路チャオプラヤ川橋梁建設事業」についての契約。金額は73億700万円を限度としたもの。もう1つはタイ高速度交通公社との間で交わされた「バンコク大量輸送網整備事業(パープルライン)(II)」。166億3,900万円を限度とする円借款貸付契約だ。合計239億 4,600万円をタイ国側に供与することとなる。
バンコク首都圏はタイの政治・経済の中心地で人口は約1000万人。また、国内外から多くの人やモノが集まる、東南アジア地域で有数の都市だ。
現在は交通渋滞の慢性化、自動車排気ガスの大気汚染が問題となっている。そのため交通渋滞を緩和し、自動車に代替する輸送網の構築が喫緊の課題となっている。
2事業の内容
チャオプラヤ川西岸及びパープルライン沿線は、将来の人口増加、都市開発による交通需要の増加が見込まれている。「ノンタブリ1道路チャオプラヤ川橋梁建設事業」「バンコク大量輸送網整備事業(パープルライン)(II)」の2事業は、同地域の交通網の整備に大きく貢献することが期待される。
チャオプラヤ川橋梁は、タイ国内初のエクストラドーズド橋となる。同橋梁の専門家を日本から派遣し、施工に係る安全管理体制の確認を行う。「バンコク大量輸送網整備事業(パープルライン)(II)」では、バリアフリー施設、エレベーター、スロープなどの先進的なユニバーサルデザインを採用する予定。
これらの事業では多くの労働者が雇用されることから、HIVをはじめとした感染症の拡大を生む可能性がある。労働者に対してHIV/エイズ対策を実施中とのこと。
独立行政法人 国際協力機構
http://www.jica.go.jp/press/2010/20100928_01.html