EUとアジア諸国とのFTAは韓国が初
IBTimesや日本の報道各紙が伝えたところによると、欧州連合(EU)と韓国が10月6日、自由貿易協定(FTA)を締結した。韓国対外経済政策研究院(KIEP)などのリサーチによると、これによって韓国のGDPは年5.6%伸びる可能性があるという。EUがアジア諸国とFTAを締結するのは初。
韓国とEUは2007年にFTA交渉を開始させた。2009年10月に仮署名を済ませたFTAに正式署名、今回の締結に至った。今後は双方の議会の批准を得て、2011年7月11日に発効する。
輸入関税が取り除かれるのは農産物や鉱工業製品で、EU製品の94%、韓国製品の81.7%の輸入関税が発効後すぐに撤廃され、5年後には最低でもEU製品の99.6%、韓国製品の93.6%の関税が撤廃される予定となっている。
日本経済は初年度で1030億円の輸出を失う可能性も
EU市場で日本と韓国は自動車や家電製品で競合している。韓国製品の関税撤廃で日本製品は価格競争力を落とし、日本企業の業績が落ち込むことも懸念される。
日本貿易振興機構 アジア経済研究所の奥田聡 氏の試算では、発効初年度に日本は約1030億円の輸出を韓国に奪われ、次年度から影響がさらに拡大するという。
韓国はASEANやインドなど5つの国・地域とFTAを発効させている。米国とも締結に向けて署名を終えている。EUもFTAには積極的で、対アジアでは現在、インドやシンガポールとも交渉を進めている。
IBTimes
http://jp.ibtimes.com/articles/10737/20101007/61226.htm