生命保険最大手の日本生命保険が、労働組合(組合員約1万4千人)に対し、自社の企業年金支給額の減額を提案したという。
8日の読売新聞が報じている。
運用利率の低迷と会計基準の変更によるもの
同社では、環境の悪さからの運用利率の低迷に加え、会計基準の変更により企業年金の積み立て不足が生じ、財務悪化懸念があるためで、制度の見直しを検討するとしている。
この内容は、退職金の支給額や年金運用の原資である積立金を減額、かつ業績に応じて見直せるようにするとともに、受け取り期間を、これまでの最大15年から同5年間へと大幅短縮するというもの。
退職金の水準見直しなどで、従業員1人当りの支給総額は平均して10%程度減る計算となり、同社はこれにより、企業年金の積立金が現在の約8千億円から1千億円近く削減でき、全額を拠出している会社の負担が軽くなるという。
労組の了解が得られる前提で同社では、厚生労働相の認可を経て、2011年度にも制度を変更する方針としている。
他の企業でも見直し必要に?
各国が金融緩和に踏み切っていることもあり、国債など運用資産の利回りは、このところ低水準が続いている。このため、企業が想定した利率で年金資金を運用できないことが常態化し、多くの企業で積み立て不足が生じており、他の企業でも見直しが相次ぐとみられている。
日本生命保険
http://www.nissay.co.jp/読売新聞
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