東京商工リサーチは8日、2010年9月度の全国企業倒産件数を発表。倒産件数は前年同月比4.5%減の1,102件と、14カ月連続で前年同月を下回ったという。
運輸・卸売業などで減少、増加は3産業
産業別の倒産件数減少率は、運輸業の16.2%減(43→36件)と、卸売業14.9%減(161→137件)などが大きく、逆に増えたのは農・林・漁・鉱業275.0%増(4→15件)、小売業12.5%増(112→126件)など3産業だけとのこと。
しかし、前年同月比減少率は13カ月ぶりに1ケタ台に縮小しており、足元では小売業などの倒産が増加していることから同社では、「倒産減少の流れが転換点に差しかかった可能性がある」と分析。今は政府の緊急保証制度や中小企業金融円滑化法に支えられているだけとみている。
大型倒産減るも、倒産原因は不況型が8割と過去最高
一方負債総額は、前年同月比約4.6倍の1兆4,180億円となり、9月としては戦後5番目の規模という。これは日本振興銀行(株)(負債6,806億円)と(株)武富士(同4,336億円)の大型倒産が影響した。
同時に発表した10年度上半期(4〜9月)の全国倒産状況では、倒産件数は前年同期比15.2%減の6555件となり、上半期としては2年連続で前年を下回っている。
負債10億円を超える大型倒産は、31.1%減の274件と、20年ぶりの低水準というが、倒産原因は販売不振など「不況型」が全体の82.6%を占め、過去最高となったとしている。
東京商工リサーチ
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