国費5兆500億円 新規国債の発行はなし
政府は10月8日の閣議で「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」を決定した。国費5兆500億円を支出するが、新規国債の発行で財源をまかなうことはしない。
総合対策で掲げたのは「雇用・人材育成」「新成長戦略の推進・加速」「子育て、医療・介護・福祉等」「地域活性化、社会資本整備、中小企業対策等」「地域活性化、社会資本整備、中小企業対策等」「規制・制度改革」という5つの柱。経済の活性化、安定かつ安心した国民生活の保持にかなう施策を実施する。
若年者、雇用の不安定な労働者などへの支援強化
雇用・人材育成では、新卒者・若年者支援の強化、雇用下支えと生活支援、雇用創造・人材育成の3つを柱に各省庁とも取り組んでいく。
若年者の支援は、年長フリーターの正規雇用を支援する「トライアル雇用活用型」の支給対象者の年齢枠 25歳から39歳を25歳未満の者まで拡大。また、ジョブカフェにおける中小企業等向けの求人開拓なども一層進める。
路上生活への転落を防止するための多岐にわたる対策
雇用の下支えと生活支援については生活が不安定になりやすい派遣労働者が直接雇用されるよう、企業への奨励金を拡充させる。職を失った人がカフェ難民、路上生活者に転落しないよう、離職者への住宅手当を支給する。
そして「職」と「住まい」を失いホームレスとなるおそれのある人に対しては、公的機関とNPOなどの民間支援団体が協働して援助を行う。総合相談や緊急一時宿泊施設を提供し、地域生活への復帰、路上化予防、再路上化防止を図るという。
内需主導の経済成長を目指すため、介護・医療といった潜在的な需要の大きい分野で重点的に雇用創造・人材育成も推進していく考えだ。
円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策
http://www.meti.go.jp/topic/downloadfiles/101008strategy01.pdf