シャクヤクの7~8割を中国からの輸入に頼る現状
北日本新聞によると、富山県が中山間地域で目立つ耕作放棄地や遊休農地を解消するために、シャクヤク栽培の普及に乗り出したと伝えた。
シャクヤクの根は漢方の生薬として多く用いられ、消炎・鎮痛・抗菌・止血・抗けいれん作用があるとされている。富山県の薬用植物指導センターによると、シャクヤクは国内消費の7~8割を中国からの輸入に頼っているという。近年、中国国内においても甘草と同様、シャクヤクの需要が急増している。第二のレアアースとなる可能性もある。
薬用植物指導センターが農家に協力、指導
平成17年の農業センサス調べでは富山県内の耕作放棄地は2172ヘクタール。中山間地域はサルやイノシシなどの農作物被害が多発するため、農家は営農を投げ出してしまい、耕作放棄地がきわめて解消されにくいという。シャクヤクは鳥獣被害に遭いにくく水やりも少ないので人的労働が少なくて済む。
薬用植物指導センターもまた富山県産シャクヤクをブランド化すべくさまざまな支援を開始している。優良品種を選抜し、苗の量産を開始し、シャクヤク栽培を試みる万開集落の農家へは技術指導も直接行う。
こうした中山間地域の耕作放棄地でこれまでとは違う草木を栽培し、新たな名産品、ブランドを作ろうという試みは、各県で始まっている。静岡県静岡市のレモン栽培などもその一例だ。
北日本新聞
http://webun.jp/news/A100/knpnews/20101016/26437