地方百貨店や中規模百貨店で特に苦戦
帝国データバンクが、全国主要百貨店92社を対象とした2008年度および2009年度の単体ベースでの決算内容を調査・分析し、その結果を10月14日に発表した。
それによると前期比で売上高が5%以上伸びたのは5社にとどまり、横ばい(前期比が減収5%から増収5%のレンジ)は11社、売上高を5%以上減らしたのは76社になった。2008年度は対象98社で横ばいが36社、減収が57社だった。販売額そのものが下がるという厳しい状況に直面した1年だった。
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2009年は黒字デパートが減る
百貨店の売上規模別では、売上げを伸ばしたのは1000億円以上の大規模店が3社、100億円以上500億円未満が1社、100億円未満が1社。中堅規模の百貨店が特に苦戦した。地域別では東北と北陸地域の百貨店はすべて売上げを減らした。関東と近畿がそれぞれ2社ずつ売上げを伸ばした。
損益では2008年よりも赤字企業が増加した。2008年度と比較できる90社のうち黒字企業は45社。赤字企業も同数の45社となった。2008年度は黒字企業が57社、赤字企業は33社であった。また2期連続で黒字となった企業は37社。
厳しさが強まる一方の百貨店業界だが、一方で新たな動きも出てきている。外国人向けの売上げが2桁増と好調に推移。2010年9月には銀座三越が増床してのリニューアルオープン。2011年には高島屋大阪店がリニューアルオープンし、博多では新幹線の全線開通もあって博多阪急が新規オープンするなどの明るい話題も出てきた。
帝国データバンク
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p101004.html